「自分の体は自分で治しましょう!」をテーマにしているエクササイズや運動法は結構ありますね。
確かに、「免疫力、自然治癒力をアップさせる」こと、私のような「治療家」や、「お医者さん」を頼らずに、自分の健康を自分で守るという意識を持つことは非常にすばらしいことです。
しかし、「自分で全て治せるし、自分で治すのが本当である」といった意見や、「もう接骨院や治療院はいらない」とか、「自分で全て治せる」という考え方には、いやいやちょっと待てよ?と思ってしまうのです。
先に私の意見を言ってしまうと、治療も必要ですし、自分で治す意識を持つことも必要です。
つまり、両方とも大事だということです。
なぜこんなことを言い出したのかと言うと、その両方を自分の経験で味わったということが大きいのです。
自分で治すという「内部からのアプローチ」と、治療家の治療を受けるという「外部からのアプローチ」の両方があれば、一番良いはずです。
ですが、最近の風潮では「人に頼らない」で自分で!というのが多いような気がするのは私だけでしょうか?
そうなんです、言いたいことは「人を頼って欲しい」ということなのです。頼らないことがまるで凄く自立心旺盛でカッコイイように思われがちですが、私はちょっと違うと思います。
人間は絶対に他人の力を借りることなく独りぼっちで生きていくことなど出来ない生き物なのです。
だからこそ、我が国で使用されている漢字の「人」という字は、人と人が寄りかかりあっている象形文字なのではないでしょうか?
それはさておき、もう少しまっとうな根拠を述べておきますと、自分一人でやることでは限界があっという間に来てしまうのです。
例えば自分一人でアイデアを考えることを想像してください。人によっては一人でいることで物凄くはかどって、
良いアイデアを思いつくこともあるでしょう。
でも、実際はどうでしょうか?ネタに詰まって気分転換したくなってしまい、散歩に出たところを友人とバッタリ。
ちょっとお茶でも飲んでおしゃべりしていたら、友人と話すことで自分の中からこんなものまで出てくるのか?というくらいに沢山のアイデアが出てきてしまう、なんてことは結構あるのではないでしょうか?
自分一人の中でエネルギーを循環させていくのと、自分と他者との間でエネルギーを循環させるのとでは、循環の輪の大きさが違いますから、当然大きいほうがエネルギーも強くなります。
これを治療家と患者様の間で行うのであれば、一人でストレッチなどをするのよりも、大きなエネルギーが発生するのではないかと私は思うのです。
そもそも私は治療の価値とか意義というのは治療家と患者様との間のエネルギーの交換だと考えております。
だからこそ、これからどんなに自分で治すストレッチなどが流行っても、治療が無くなることは無いと思いますし、私自身もプロの治療家としての自覚を持って、人々に必要とされるように勉強・努力してゆかねばならないと考えています。